| 服部:「歯科で金属を外してもらってこい」と言われる 患者さんも稀にいますよね. 松永・福井:信じられない....... 押村:それに,アマルガムはいけないものだと言っている皮膚科の先生もいるし,銀色に光るものをすべてニッ ケル・クロムだと言われる先生がいて,これも困ります ね.患者さんがそうだと思い込んでしまうんですよね. 餅は餅屋だから,そのあたりのことは私たち歯科医に任 せてくださるとありがたいです. 福井:もちろんそうですね.
押村:また,診断名に「主婦湿疹」のような曖昧な病名 が多く,困ってます.確定診断はむずかしいにしても, もう少し教科書に書いてあるような病名を,「疑い」でもいいですから言っていただけると,こちらも対処の方 法があるのですが....... あと思うのは,私たち歯科医はあくまでも側面的な治 療をするので,その後の経過も,ぜひ教えてほしいので す.たとえば1回紹介して返信状を書いたらそれでおしまいではなくて,たとえば2カ月待って,「こういう 状態になってきました」とか,「先生のところで金属を 外してよくなりました」とか,「変わらないのでこう進 めていきますか?」ということを教えていただくと,患 者さんには一番いいんじゃないかと思います. |
押村:そうです.先に皮膚科に行ったほうがいいよ,と 言っているんですけどね. 松永:これはおそらく,インターネットや口コミで情報が拡がっているんですよね.普通の地域で行う commonな診療とは別のルートですね. 福井:もうひとつ,私が皮膚科医として紹介状でほしい情報といいますと,その患者さんが皮疹の治療目的でま ず歯科に行ったのか,歯の治療をしている途中で皮疹に気がついたのか,皮疹の疑いがあって皮膚科へ紹介状を持ってきたのか,それが知りたいですね.それからさっき言ったように,前医のことがわかればなおいいです. それで比較的コミュニケーションがとりやすくなりますね. 松永:私の勤めている藤田保健衛生大学では,たいてい紹介状を持って来られるか,どこかで治らないから来ら れるのが多いですね.医療に対して文句,不満がある方 が来られることも多いので,自分としてはここに来られ た受診動機,どういうことを期待して私の前に今いらっしゃるのかということは,いつも充分聞くし,それから どこにかかっていたかというのも比較的聞きやすい施設 だと思うんですね. 皮膚の状態を治してほしいと思っている患者さんもいれば,「パッチテストだけやってほしい,アトピーは治 さなくていい!」と,そういう患者さんもいます.でも そうはいっても皮膚科がちゃんと治すべきだよ,という基本姿勢が皮膚科医にはいると思っています. 福井:あと,これはできればでよいのですが,患者さんの歯にどういう金属が入っているかを知りたいですね. 押村先生の紹介状にはそういう情報がすべて入っているからいいのですが(図a~h),そういう先生ばかりではないですし.それから金属溶出傾向がわかれば,参考になります.今まで金属のイオン化や溶出傾向について, 詳しくは知りませんでしたが,松永先生の論文 *などを読むと,金属溶出傾向のデータが非常に大事だというこ とがわかりました.( *松永佳世子: 金属によるアレル ギー性接触皮膚炎, Topics in Atopy Vol. 5, No.1, 2006 年など.) 服部:金属溶出傾向とアレルギーの関係については全然 信じてない先生方も多いですね.
福井:金属溶出傾向とパッチテストの結果に関するデー タはありますか. |

